LYRICS
1.僕になる
【Review】
今回のアルバムを制作するに当たって、自分をZEROにしたかった。
沢山の人達に出会う度、本当の自分をどんどん見失っていく。でも本当の自分って何だろう?
素直にあり続ける事が本当の自分なのか、それさえもわからない。
今日までの全てを無かったことにしたかったわけじゃない。1つ1つを辿って、自分と向き合って、ZEROに戻っていく。
でも「0」という不思議な存在そのものの様に、どんなに偽りの自分を切り離していっても、それぞれの場面で支えてくれた人達の存在が残っていった。
むしろ本来の自分はマイナスで、周りの沢山のプラスが自分を0にしてくれていた。
無いけれど、有る。不思議な存在。
なんだ。1人きりでどんなに自分と向き合ったって、本当の自分なんてわかるわけがない。
誰かの存在があって、初めて僕(0)になるんだ。
2.苦笑いがとまらない
【Review】
アルバムの中で唯一、楽曲まるごとプロデュースを依頼した作品。
独自の世界観と圧倒的なメロディセンスを持つ、Tokyo Common Senseの松野恭平先輩に御願いをしてみた。
伝えたことはアルバムタイトルと、飾らない自分を表現したいということ。
松野さんから見た僕はどう映っているのか。期待を胸に初めてタイトルを確認した時、苦笑いどころか大爆笑だった。
ただ、なんせ楽曲の出来が素晴らしいから、ぐうの音も出ない。
「楽曲制作のお話をいただいたとき、ステージの上にいるSO-TAくんとプライベートのSO-TAくん、そのどちらか一方ではなく両面をきちんと描いてみたいと思いました。
格好付けて歌っている自分を客観的に見てちょっと苦笑いしてしまう、そんなSO-TAくんを想像しながら聴いていただけたら嬉しいです。---松野恭平(Tokyo Common Sense)」
人前で無理に背伸びしていたことは見抜かれていた様だ。
関連リンク
◆松野恭平 Official Site
3.なんでもない日々
【Review】
子供の頃、永遠のように感じていた夏休みも、大人の僕はあっという間の1ヶ月に感じるだろう。
知らない、見たことがない、聞いたことがない。キラキラした世界の面積はかなり減ってしまったけれど、改めて1つ1つに目を向けてみると実はまだ本質を知らなかったりする。
かけがえないものと問われ、30歳を過ぎた“現時点での自分の正解”は日常だった。
僕たちは当然だと思っていることを急に奪われると、身動きが取れなくなる。
例えばそれが、生きていく上で必須ではないものであっても、どこか不自由さを感じてしまう。
であればせめて、普段は気にも留めない出来事に数秒だけ目を向け、“当たり前”を少しでも“かえがえのないもの”に変換出来たならと思う。
そしてその日常を大切な人と共に過ごせるということは、この上ない幸せだ。
4.Last Dance
【Review】
久々にメロディ先行で遊びながら制作した楽曲。
昔よりも容易に世界中の音楽を聴くことが出来る時代だからこそ、言葉が通じなくてもリズムが感じられるものにしたかった。
Danceと言っても様々で、心や気持ちも踊るし、右往左往している姿もまた、あたかも踊っている様に見えるかもしれない。
この曲もまさに、主人公が恋心ゆえに翻弄されてしまうイメージ。
しかしLastという形容詞を付けることで、実は自分自身へのケジメを意味していたりもする。
ちなみにダンスは愚か、僕は手の平で踊らされることが多い気もしている。
5.Realize
【Review】
たった一人で、自分勝手に追い続けているつもりだった夢さえも、気付けば誰かに支えられ、知らぬ間に傷付けていた。
強く信じて疑わなかったルールや正解も、時が経つにつれて全く違うものへと変わっていった。
夢は叶うという聞き馴染んだ言葉があるけれど、叶ったかどうかの基準は結局自分次第だ。
それと同時に、それを「ゴール」とするか「諦める」と捉えるのかも、自らが下す判断なのだと思っている。
ただ自分の夢を共に背負ってくれている誰かがいる以上、その存在を無下に決断だけはしたくない。
人間は強くて弱い。だからこそ経験を通してやっと気付くことが出来た「大切なこと」さえも、いつの間にか忘れてしまう。
「大切なこと」=「誰かと生きているということ」
似ている様で全く違う日々を生きていく中で、些細な出来事の大きな意味に気付くことが出来たなら。
6.さよならの日まで/voiz
【Review】
僕は元々ソロシンガーではなく、voizというユニットで音楽活動をしていた。
事情により、しばらくソロ活動を続けていたけれど、自分の中で「voizのSO-TA」という意識は変わらなかった。
約8年、僭越ながら書かせて頂いたサインに”voiz”と入れ続けてきたのもその理由だ。
あの時、僕を送り出してくれた相方には頭が上がらないし、今回快く引き受けてくれたことにも本当に感謝しかない。
(多少、自由気ままな性格だが)
そんな相方と僕は、似ている様で混ざり合わない、いい距離感に居るという自負がある。
恐らく恋愛観もそうだろう。それは当然、相方と僕だけに関わらず、世の中は多種多様だ。
ただ共通項は、どんなに大切な人でも必ず離れる日が訪れるということだと思う。
その人が大切であればあるほど、人生で一番の悲しみに包まれるだろうし、それ以上に愛する瞬間なのだと思う。
あなたは最後の瞬間、相手にどんな言葉をかけるでしょうか。
7.あなた
【Review】
中学生の頃、当時通っていた塾を休ませ、僕を東京へと連れて行った。
目的は来日していたスティービー・ワンダーのライブだった。
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ホイットニー・ヒューストン、マジック・スリム……
貴重なライブを共に楽しんでは、お酒を飲みながらその日の感想を言い合った。
仕事帰りにバンドセット一式と共に帰宅し、母に呆れられたこともあった。
幼い僕にギターを教え、一緒にベンチャーズを演奏した。
その点、僕の活動については口数が少ない。
結局最後まで、CDやライブの感想を聞いたことは無かった。
だけど僕は知っている。
こっそりとCDを自分の部屋に持ち込み、歌詞カードが机の上で開かれていたこと。
今の僕は、音楽を通じて沢山の素敵な縁に恵まれた。全国の数え切れない人達と出会うことが出来た。
それは全て、きっかけとなる音楽の魅力を教えてくれたあの人のおかげだと思っている。
歌い続けることで、音楽が好きでいられることで、いつだって一緒だ。